アムウェイは違法なのか?過去の行政処分と法律上の注意点

「アムウェイって、違法じゃないの?」「友達から誘われたけど、大丈夫かな…」
アムウェイのビジネスについて、このような疑問や不安を感じたことはありませんか?
実際、過去にはアムウェイの販売員による勧誘が問題視され、消費者庁から行政処分を受けた事例もあります。
そこで本記事では、アムウェイの適法性について詳しく解説し、過去の行政処分事例や違法とされる勧誘行為、さらにはアムウェイが実施している再発防止策についても紹介します。
アムウェイに興味を持っている人や、勧誘を受けたことがある人にとって、正しい情報を得るための参考になれば幸いです。
アムウェイのビジネスは違法なのか

アムウェイのビジネスは、違法なのでしょうか。
アムウェイはネットワークビジネス(マルチ商法)を展開する企業で、日本では「連鎖販売取引」に分類されます。連鎖販売取引は特定商取引法の規制対象ですが、適切に運営されていれば違法にはなりません。
そのため、アムウェイのビジネスモデル自体が法律に違反しているわけではなく、法の枠組みの中で運営されています。
しかし、ネットワークビジネスは勧誘の方法や契約手続きに厳しいルールがあり、販売員の行動によっては問題が生じることもあります。実際、過去には不適切な勧誘が問題視され、行政処分を受けたケースもありました。
アムウェイは特定商取引法を守る立場ですが、実際にビジネスを行うのは販売員です。適法かどうかを判断する際には、企業の方針だけでなく、現場での勧誘の実態にも目を向ける必要があります。
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アムウェイの行政処分事例

アムウェイは2022年10月、消費者庁から特定商取引法違反に基づく行政処分を受けました。この処分は、アムウェイの販売員(ABO:アムウェイ・ビジネス・オーナー)による不適切な勧誘が原因でした。
具体的には、メッセージアプリで知り合った相手を食事に誘い、その後、密室で書面を交わすことなく、執拗に化粧品の購入をすすめたというものです。
この勧誘は、以下の点で問題があります。
- 本当の目的を告げずに人を集めた
- 公衆の出入りしない場所での勧誘をした
- 迷惑と感じさせるような勧誘をした
- 概要書面を交付しなかった
こうした行為は、特定商取引法が禁止する勧誘方法に該当すると判断され、処分が下されたのです。
この処分により、アムウェイは一定期間、新規勧誘活動の停止を命じられました。また、消費者庁からの指導を受け、違法行為を防ぐための改善策を打ち出すことになりました。
企業としては法令を遵守していると主張していますが、実際の勧誘現場では販売員による違反行為が問題となることがあるため、今後も注意が必要です。
違法とされる勧誘行為

特定商取引法では、販売員が適切な方法で勧誘を行うことを義務付けており、違反が認められた場合には行政処分の対象となります。
ここでは、特定商取引法に違反する可能性がある代表的な勧誘行為について解説します。
目的を告げない勧誘
「目的を告げない勧誘」は、典型的な違法行為のひとつです。これは、アムウェイのビジネスへの勧誘であることを隠して、相手に近づく行為を指します。
良い話があるなどと、本来の目的を偽って食事やイベントに誘い出し、後からアムウェイの話を持ち出す、といったケースが該当します。このような「ブラインド勧誘」は、相手に不意打ちを与え、冷静な判断を妨げるため、法律で禁止されているのです。
執拗な勧誘
一度断られたにもかかわらず、何度も勧誘を繰り返す行為も法律で禁止されています。販売員が「考え直してほしい」「もう一度だけ話を聞いてほしい」としつこく連絡を取ったり、長時間にわたる説得を行ったりするケースがこれにあたります。
また、「今決めないと特別なチャンスを逃す」「成功するには思い切りが必要」などと言葉で心理的な圧力をかけ、相手が断りにくい状況を作ることも問題です。
何度もカフェや自宅に呼び出す、短期間に繰り返し連絡をするなどの行為は、消費者庁によって厳しく取り締まられています。
事実と異なる説明や誇大表現
アムウェイのビジネスでは、「簡単に稼げる」「誰でも成功できる」といった説明が行われることがあります。しかし、ネットワークビジネスで収益を上げるには相応の努力が必要であり、誰もが高収入を得られるわけではありません。
にもかかわらず、「知り合いに紹介するだけで収益が増える」「最初に投資すればすぐに回収できる」など、実態とは異なる説明を行った場合、法律違反とみなされる可能性があります。
特定商取引法では、誤った情報を伝えたり、誇張した表現を用いたりすることを厳しく制限しており、違反が発覚した場合には行政処分の対象となることがあります。
アムウェイの再発防止策と取り組み
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過去の行政処分事例や違法な勧誘行為を踏まえ、アムウェイは再発防止とコンプライアンス強化のために、さまざまな取り組みを行っています。
このような取り組みは、消費者を保護し、ビジネスの健全性を保つために欠かせないものです。
アムウェイご紹介カードの提示
「アムウェイご紹介カード」は、勧誘を受ける人が事前にビジネスの内容を把握できるようにするためのものです。勧誘の際に、販売員が相手にこのカードを提示することで、「これはアムウェイのビジネスの勧誘である」ということを明確に示す役割を果たします。
過去には、目的を告げずに人を集める手法が問題視されましたが、このカードの導入により、消費者が意図せず勧誘に巻き込まれるリスクを減らすことが目的とされています。
ABOへの教育強化
現在のアムウェイ登録制度では、ABO登録を希望する方は、まず「プライムカスタマー」という、製品購入のみを行えるショッピングメンバーに入会する形になっています。これは、ABOとして活動を開始する前に、実際にアムウェイ製品を使用し、その品質や特徴を理解する機会を設けるためです。
また、ABO登録の際には、アムウェイ・ビジネスの仕組みや関連法規について学ぶためのトレーニングを受けます。これにより、販売活動において違法行為を防ぐための意識向上が図られています。
概要書面の適切な交付
従来、概要書面は、勧誘者であるABOから新規のABO登録希望者へ手渡す仕組みでした。しかし、この方法では、ABOの知識不足や不注意によって、概要書面が交付されなかったり、記載内容に不備があったりする可能性が排除できませんでした。
そこで、現在のアムウェイ登録制度においては、日本アムウェイ合同会社が、新規のABO登録希望者に対して、概要書面を直接送付する仕組みに変更されました。
これにより、アムウェイ本社が責任を持って、確実に、そして漏れなく、全ての登録希望者に対して、連鎖販売取引に関する重要な情報を伝えることが可能になりました。
消費者が注意すべきポイント

アムウェイのビジネスに関わる上で、消費者が注意すべきポイントはいくつかあります。これらのポイントを知っておくことで、不当な勧誘から身を守り、トラブルを未然に防ぐことができます。
勧誘を受けた際の確認事項
勧誘を受けた際の確認事項として、以下の点を必ずチェックしましょう。勧誘の目的、相手がアムウェイビジネスオーナー(ABO)であること、そして勧誘の目的がアムウェイビジネスであることを明確に告げているかを確認してください。「アムウェイご紹介カード」の提示を求めるのも有効です。
また、商品やビジネスプランについて説明を受ける際には、メリットだけでなく、デメリットやリスクについても質問しましょう。初期費用や在庫の有無、解約条件など、具体的な情報を収集し、冷静に判断することが大切です。
少しでも疑問や不安を感じたら、その場で契約せず、持ち帰って検討する時間を取りましょう。
違法な勧誘を受けた場合の対処法
もし、「目的を告げない勧誘」「執拗な勧誘」「事実と異なる説明や誇大表現」といった違法行為に遭遇した場合は、きっぱりと断ることが重要です。曖昧な態度を取ると、さらに勧誘がエスカレートする可能性があります。
また、勧誘の記録(日時、場所、相手の氏名、具体的なやり取りなど)を残しておくと、後々トラブルになった際に役立ちます。録音や録画も有効な手段ですが、相手の許可を得ることを忘れないでください。
相談窓口の紹介
困ったときやトラブルに発展しそうな場合は、一人で悩まずに相談窓口に連絡しましょう。
消費者ホットライン(188)は、全国共通の電話番号で、最寄りの消費生活センターや消費生活相談窓口に繋がります。専門の相談員が、問題解決のためのアドバイスや、必要な情報の提供をしてくれます。
また、アムウェイに対しても、直接苦情を申し立てることができます。アムウェイは、消費者からの相談に対応する窓口を設けており、問題解決に向けてサポートを提供しています。
まとめ
アムウェイのビジネスは、特定商取引法の枠組みの中で運営されており、違法というわけではありません。しかし、勧誘の方法によっては法律に違反する行為とみなされることがあり、過去には行政処分を受けた事例もあります。
こうした問題を受けて、アムウェイでは再発防止策を強化し、「アムウェイご紹介カード」の提示、ABOの教育強化、新規登録者への直接的な概要書面の交付などの取り組みを行っています。
しかし、販売員一人ひとりの行動が全て適切とは限らず、違法な勧誘が完全になくなったわけではありません。そのため、消費者としても勧誘を受けた際には冷静に判断し、少しでも不安を感じたら契約を急がず、相談窓口を利用するなど慎重に対応することが大切です。
アムウェイのビジネスに興味がある人も、すでに勧誘を受けた人も、正しい情報をもとに判断することを心がけてください。